徘徊SOSネットワークについて
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地域全体で高齢者を見守る
徘徊防止に向けた取り組みの1つとして、徘徊SOSネットワークについて紹介します。高齢者が行方不明になった際に、地域住民や協力団体が捜索活動に参加し、早期発見・保護を実現する取り組みです。徘徊の心配がある高齢者への見守りや声かけなども積極的に行い、徘徊防止に努めています。主な目的は「情報共有を強化して必要な情報をスムーズに警察へ提供する」「認知症やその家族に対する支援を行い適切なサービスを提供する」「地域全体で取り組み認知症への理解を深める」の3つです。自治体が主体となって取り組んでおり、名称は地域によって異なります。
具体的な流れ
徘徊SOSネットワークの具体的な流れは、「家族が警察へ連絡」→「警察から協力団体へ連絡して情報共有」→「警察は捜索を開始、協力団体は行方不明者を発見次第警察に連絡」→「情報提供を受けながら捜索し、発見次第保護」→「協力団体へ発見の連絡をして捜索終了」となります。徘徊SOSネットワークの導入前は、家族と警察のみで捜索を行っていたため、どうしても発見までに時間がかかっていました。しかし、この体制なら地域住民や協力団体と連携することで発見が早まります。
協力団体について
徘徊SOSネットワークの協力団体は地域によって異なりますが、「生活関連企業」「医療・介護事業者」「自治体」「地域住民」の4つがメインです。生活関連企業は地元のタクシー会社や放送局、郵便局などが該当します。公的機関だけでなく、地元の民間企業などの関わりがあるため広範囲での情報共有や捜索が可能です。また、医療・介護事業者が参加しているので、保護された後に再発防止に向けたアドバイスやサービスの提供を受けられます。
利用するには
徘徊SOSネットワークを利用する際は、最寄りの地域包括支援センターに問い合わせる必要があります。サービスの提供を行っている場合、徘徊SOSネットワークに必要な情報を提供し、事前登録を済ませます。そして、行方不明になってしまった際は速やかに警察へ連絡をします。その後は上記で説明した通りの流れで捜索が行われます。
まとめ
以上が、徘徊SOSネットワークの具体的な仕組みです。高齢化が進む中、各自治体は積極的に導入を進めています。しかし、まだ全国的に浸透しているとはいえない状況です。地域住民の声がきっかけで徘徊SOSネットワークの導入を始めた自治体もあるので、気になる人は自分の住んでいる地域で行われている認知症ケアについて確認してみることをおすすめします。認知症ケアは、家族や介護事業者だけでなく、地域全体で行う必要があります。