リスクを理解した上で徘徊を防止しよう

STOP徘徊!予防のためにできること

徘徊で悩んでいる人や介護職として働く人へ 徘徊の原因や予防策など、高齢者の徘徊防止に役立つ情報を紹介するサイトです。悩んでいる人や介護職として働く人は、当サイトの情報を参考にしてください。

徘徊のリスクや発生しやすい状況

リスクを理解しよう

徘徊は高齢者がただ歩き回るだけのことだと考えていては危険です。徘徊には大きなリスクが伴い、最悪の場合命を落とすこともあります。行方不明になって5日間以上経過すれば、生存率はほぼ0%です。徘徊の具体的なリスクや、発生しやすい状況について見ていきましょう。

リスクを理解しよう

交通事故

徘徊に伴うリスクとしてまず挙げられるのが、交通事故です。徘徊をしている時、本人は大きな不安を抱えており、周囲の状況にまで意識が向いていません。そのため、いきなり道路に飛び出すことがあります。また、歩き回っているうちに自動車専用道路に入ってしまうケースも少なくありません。事実、徘徊中に交通事故に遭ってしまった事例が数多く報告されています。自転車や車を使用して徘徊した場合は、より大きな事故につながります。本人だけでなく周囲を巻き込んでしまうため、注意が必要です。

怪我

徘徊中に転倒し、怪我をするケースも多いです。高齢者は身体の状態が弱っているので、軽い転倒でも骨折などの大きな怪我につながります。また、山道や水辺の近くなど足元の状態が悪い場所を徘徊している場合、リスクはさらに高くなります。

熱中症と低体温症

夏は熱中症のリスクが高まります。少しの時間でも、直射日光を浴び続けることで熱中症になってしまいます。また、認知症の影響で水分補給を忘れてしまったり、厚着で外出してしまったりすることで、熱中症のリスクがより一層高くなります。
逆に、寒い時期に徘徊した場合は、低体温症になる可能性があります。低い気温の中で長時間歩きまわると大幅に体力を消費し、低体温症を引き起こします。また、認知症の影響で薄着のまま外出する、靴を忘れる、といったことも考えられます。事故や怪我はなくても、熱中症や低体温症が死亡原因になるケースも少なくありません。

徘徊が起きやすい時間帯と場所

徘徊が起きやすいのは早朝・朝(43.8%)で、次に多いのが午後・夕方(37.5%)です。日中の徘徊が多いのは、外出しやすい環境なのと、徘徊に起因する行動(帰宅、買い物、散歩など)が主に日中に行われるためです。また、徘徊が起きやすい場所としては、玄関、通用口、非常口、窓などが挙げられます。こういった場所は、夜間は施錠されているものの、日中は人の出入りがあるので解放されていることが多いです。介護施設などでは、職員の人数が少ないタイミングで外出してしまうケースも少なくありません。また、1階の窓など開け閉めが簡単な場所から外出するケースもあるようです。