万が一発生した際の対処法
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傾聴して落ち着かせる
徘徊している高齢者を発見した際は、相手の行動や言動を否定せず傾聴するように心がけてください。本人も徘徊の理由を理解していないので、行動や言動を否定すると余計にストレスを感じてしまいます。不信感を抱くことで徘徊がエスカレートするので、まずは「なぜ歩いているのか」など、相手に寄り添って理由を尋ねてみましょう。傾聴することで、そのうち心が落ち着いてきます。落ち着いた様子を確認できてから、「一緒に帰りましょう」などと声をかけることで納得してもらえます。
また、徘徊に見える行動でも、本人にとっては「トイレに行くだけ」などと思っていることもあります。そのため、日頃から本人の習慣を観察し、トイレを探している様子であれば誘導するといった配慮が求められます。事前に本人の行動を把握し、その都度対応する意識を持ちましょう。
相手の気を反らす
徘徊しそうな時に、相手の気を反らす方法も有効です。例えば、自宅にいるにもかかわらず本人が「早く帰りたい」と思い、外出しようとした場合、「迎えがくるまでお茶を飲んで待ちましょう」「外は暑いのでまずは帽子を被りましょう」などと声をかけます。他の行動に気が向くことで、外出しようとした理由を忘れて落ち着く可能性があります。
無理に制止しない
徘徊の原因や目的が分からない場合もあります。その際は、無理に制止せずに歩かせてあげましょう。無理に制止したことが理由で、感情的になり急に身体を動かして転倒するリスクがあります。目を離さず一緒にいられるなら、適度に身体を動かすことでその後はスムーズに眠れるかもしれません。すると、徘徊衝動も抑えられるので、結果的に負担が少なく済みます。認知症の高齢者にとって徘徊はリスクの高い行動ですが、安全が確保されているのであれば運動の一環として一緒に歩いてあげましょう。
行方不明になった際は即座に通報
徘徊が原因で行方不明になった際は、自力で捜索することにはこだわらず速やかに通報してください。徘徊の事実を周囲に知られたくないと思うかもしれませんが、通報が遅れたことによって事故が起きてしまっては意味がありません。通報する時間が早ければ早いほど、捜索範囲が狭まり生存率は高まります。警察だけでなく、地域包括センターやケアマネジャーなど関係各所にも連絡しましょう。また、通報時は行方不明になった高齢者の特徴や最後に見かけた場所、行動パターンなどの情報を包み隠さず伝えてください。必要な情報を速やかに共有することが、早期発見につながります。