徘徊は認知症の高齢者に多い

STOP徘徊!予防のためにできること

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特に注意が必要なのは認知症の高齢者

認知症の種類

徘徊が起こる原因の1つとして、認知症による症状があります。ただし、認知症にはいくつかの種類があるため、それぞれの特徴を理解した上で防止策を講じる必要があります。認知症の種類について、詳しく見ていきましょう。

認知症の種類

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多いのが、アルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は初期の段階から徘徊が起こり、中期以降は顕著に現れるため注意が必要です。時間や場所、人物などの見当識が低下し、位置関係や景色を認識できなくなることで、住み慣れた地域でも道に迷いやすくなってしまいます。今いる場所や自宅の方向などが分からないことに対して焦燥感を覚え、それがさらに徘徊を促します。
アルツハイマー型認知症は脳内の神経細胞が破壊され、萎縮することで発症するものですが、その原因となるアミロイドβが蓄積される原因については分かっていません。しかし、近年は糖尿病や高血圧の人はアルツハイマー型認知症になりやすい傾向にあることが明らかになっています。そのため、予防には生活習慣の改善が重要であると考えられています。なお、アルツハイマー型認知症は、認知症全体の67.6%を占めています。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などが原因で発症するものです。脳血管性認知症の高齢者は、夜間せん妄による徘徊が多い傾向にあります。夜になると注意力や思考力が低下し、幻覚や妄想などの症状が引き起こされ、それが徘徊につながります。
また、障害を起こした脳の部位によって症状が異なる点も特徴の1つです。歩行障害、手足の痺れ、排尿障害、言語障害、不眠、意欲低下などの症状がありますが、症状の進行を遅らせるためにはリハビリテーションや生活習慣の改善が必要になります。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、せん妄や幻視を引き起こします。徘徊とは少し異なりますが、家の中を歩き回るなどの行動の原因になります。夜間に現れることが多く、実際には存在しないものが幻視によって見えます。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症の場合、同じルートを何回も歩き続けるといった症状が現れます。初期の段階では道に迷うことはありませんが、脱抑制症状によって信号無視や万引き、周囲の人を押しのけるなどの問題行動が現れるため注意が必要です。前頭側頭型認知症は50~60歳に発症しやすく、ゆっくりと進行していきます。脳内に異常構造物が蓄積して発症するケースと、TDP-43と呼ばれるたんぱく質が蓄積して発症するケースがありますが、それらが蓄積する理由については未だ解明されていません。