徘徊による行方不明者の数が増えている

STOP徘徊!予防のためにできること

徘徊で悩んでいる人や介護職として働く人へ 徘徊の原因や予防策など、高齢者の徘徊防止に役立つ情報を紹介するサイトです。悩んでいる人や介護職として働く人は、当サイトの情報を参考にしてください。

年々行方不明者が増えている

非常に危険な症状

認知症の高齢者が目的もなく歩き回ることを徘徊といいます。自宅や施設の外で徘徊が起こると行方不明になるリスクがあるので注意が必要です。また、大きな事故に巻き込まれる可能性もあります。徘徊は、認知症における症状の1つである行動症状に分類されます。行動症状には、徘徊以外にも抵抗、不穏、攻撃性、焦燥などに関連する行動につながります。妄想、誤認、幻覚、うつ、不眠などの心理症状とは別ですが、両者は密接につながっているので、心理状態が不安定になったことがきっかけで徘徊が起きるケースも考えられます。
自分の意思で外に出たものの、目的地が分からなくなり、どの場所にいるのかも分からなくなってしまいます。本人だけでなく家族や介護者にも被害が及ぶため、事前に対策を講じておかなければなりません。

非常に危険な症状

行方不明者が増えている

徘徊が原因で行方不明になる高齢者の数は年々増加傾向にあります。警視庁が発表したデータによると、徘徊老人は子どもの迷子よりも多く、年間で1万7,000人もの行方不明者が発生している状況です。これは警察に届け出があった件数なので、実際にはさらに多くの高齢者が徘徊によって行方不明になっていることが予想されます。
行方不明になった場合、99%は1週間以内に保護されています。しかし、行方不明から5日間以上経過すると、生存率はほぼ0%です。そのため、徘徊による行方不明が発生した場合は、早期発見が求められます。生存している場合でも、自宅から遠く離れた場所で発見されたり、名前や住所が確認できず身元不明者と分類されたりするケースもあるようです。踏切事故や交通事故に遭うケース、あるいは他人を巻き込んで事故を起こしてしまうことも少なくありません。

前期高齢者の方が危険

高齢者は、65~74歳の前期高齢者と、75歳以上の後期高齢者に分けられます。徘徊による被害は、後期高齢者の方が広範囲に影響を及ぼすとイメージしがちですが、実際は違います。ある大学の研究所が調査したデータによると、前期高齢者よりも後期高齢者の方が行方不明になった際は比較的早くに発見される傾向にあることが分かりました。これは、前期高齢者の方が元気で、認知症の症状も軽度であることから、徘徊の範囲が広くなるためです。そのため、徘徊による行方不明に関しては、後期高齢者よりも前期高齢者の方が注意しなければなりません。また、同研究によれば、行方不明の時間が9時間を超えると発見率が大幅に減少することも判明しています。